去る7月21日(土)、22日(日)の2日間にわたり、AHCC研究会第15回国際研究報告会がAHCC研究会の主催によりホテルロイトン札幌にて開催されました。
本報告会の機能性食品を通じた代替医療におけるエビデンスの集積と活用に関する継続的な国際的活動が認められ、例年の後援者株式会社アミノアップ化学に加え、今回は経済産業省 北海道経済産業局の後援のもとに実施されました。
今年の報告会では基調講演にテキサス大学医学部外科教授のAnil D. Kulkarni先生を迎え、”Immunoengineering Health: Role of Nutrition”と題して、免疫と栄養学の接点の領域のお話を頂きました。Kulkarni先生は無重力下の免疫機能に対する核酸栄養の研究でも著名な方です。
講演の内容としては、我が国が機能性食品において先導的役割を果たしてきた経緯、種々ストレスに対抗する免疫機能を維持増進させるためには食を通じた栄養補給が重要であること、ならびに世界規模での生活習慣病の増加傾向にともなう市場拡大の展望などについて詳述されました。
最近の発表演題の増加を受けて、今年からポスターの掲示が実施されました。口頭発表のスライドと合わせてポスターとして同会場に掲示されました。昨年は3題であった低分子化ポリフェノール素材Oligonolの報告が、今年はポスターで2題、口頭で7題発表されました。一般講演の総数としては32で、このうち発表形式では口頭23、ポスター9、分野別では基礎系23、臨床系9でした。
総合討論ではAHCC(担子菌由来活性化多糖)、GCP(イソフラボン・アグリコン含有多糖)、Oligonolの代謝、安全性などに関する報告や、抗がん剤との併用による効果、薬物相互作用に関する話題など、例年以上に活発な討議が行われました。加えて、最近話題となっているトランスレーショナル・リサーチの観点に基づき、基礎研究から臨床試験に移行する段階における基礎的データ、安全性、投与物質の品質が倫理委員会の承認に適うレベルで担保されていることの重要性に関して各国から意見が出されました。