~植物の機能を活用したものづくり拠点に~
学校法人 北里研究所 生物製剤研究所様は、9月9日(火)、恵庭リサーチ・ビジネスパーク(株)と試験研究室への入居に関する契約を正式に交わしました。
北里研究所は、遺伝子組換え技術を活用して、イヌインターフェロンαをイチゴで生産する技術を開発しました。これまでの組織培養に比べ、可食性の植物で生産するため、より安全・安価なインターフェロンαの供給を可能にしました。
今後、さらに効果的な製品剤型の研究、臨床現場での効果試験などを経て、2010年ごろには、販売を目指していく計画です。
現在、産業技術総合研究所などと共同で、無菌かつ閉鎖系の植物工場において高度な技術を用い、イチゴ栽培を行っています。これらのイチゴなど可食性の植物を原料に、犬の歯周病に効果が期待されている「イヌインターフェロンα」の実用化実験を進めています。
犬の歯周病には、3歳以上の成犬の8割以上(約800万匹)が罹患しているといわれております。症状の進行では、手術などの外科的処理が必要になります。しかし、近年、イヌの飼い主の意識向上もあって、イヌの歯周病に対する予防、治療剤としてイヌインターフェロンαへの潜在的な需要が大きいと想定されています。
北里研究所は、これまでもNEDOの委託事業として、産業技術総合研究所や北海三共などとの共同研究開発事業を行い、イヌインターフェロンαの生産技術の開発を重ね、その効果に関し実証してきました。このような成果の実用化により、組み換え植物を利用した幅広いものづくりへの今後の展開が期待されます。
今回、RBPへ進出した背景には、パートナーである産業技術総合研究所(札幌市月寒)と新千歳空港の両方により近く地理的利便性が高いこと、RBPが北里研究所の新たなステップへの環境条件が具備されていた点が大きかったようです。
RBPの新試験室では、予防・治療剤のより付加価値の高い製品を目指した検査や評価の中核施設として十分な機能が発揮されるものと期待できます。
RBP 湊孝康社長談 ~全面支援を準備する!~ 今回の北里研究所の進出は、当社にとって意義は大きい。北里研究所が進出するまでに当社が成長したという喜びと「食と健康研究会」の将来が、これによってはっきり展望できるという思いに感動している。当面は、北里研究所の研究環境づくりに全力を尽くしたい。 |