大学にある知的財産を活用して企業と大学の連携を探る目的で、シーズ公開会なるデモンストレーションを行うため、去る2月14日に北海道大学産学連携本部を訪問してきました。

北海道大学産学連携本部は、北キャンパス内創成科学研究棟5階にあり、北海道大学の知的財産や研究成果を活用して地域社会へ貢献する活動をされています。
http://www.mcip.hokudai.ac.jp/
今回体験版ということで、当会会員企業である北海道システム・サイエンス(株) 杉田氏と私の2名で参加をしてまいりました。
本会では以下の2点についてデモンストレーションをしていただきました。

1. 実際の知的財産(特許申請中)1例の具体的な内容紹介

まず始めに金子真紀マネージャーにご紹介いただいた例は、「ワンステップ全自動プラスミド構築方法」です。
この技術は分子生物学研究におけるDNA実験で頻繁に使用するライゲーションという工程を簡単に短時間で行えるものです。
従来法では目的の遺伝子配列を各ベクターへ組み込む際、目的DNA配列を増幅した後、精製、酵素処理、不純物の除去等複数回のステップを必要とします。しかし、この技術を用いると複数のステップをわずか1回の操作で終了することができるというものです。


DNAの実験では基礎的な部分であり且つ重要な作業工程ですので、研究者および企業等市場ニーズは十分あると感じました。 その後の意見交換では感想や意見、市場性・関連企業等積極的なディスカッションをすることができました。

2、 企業ニーズにマッチする研究者または知的財産の紹介および橋渡し

次に、小川晴也チーフマネージャーより企業が目的とした技術や研究成果、知的財産等を北海道大学の知的財産データベースを用いて絞り込みを行い、内容の説明や研究者の紹介および橋渡しについてご紹介をいただきました。
一部北海道大学HPからも検索が可能ではありますが、非公開のデータベースには多量の情報がアーカイブされており、ピンポイントでニーズに合う情報が引き出すことが可能です。また、附帯情報も豊富なので目的外で新たな企業ニーズを掘り起こしたりする可能性も十分あり、活用しない手はないと実感しました。
実は、この後フリーディスカッション形式で雑談をしたのですが、企業として私たちが気付かなかった部分に気付いたりと話題は多岐に渡りました。

企業が個別で対応してもらう場合は、目的意識をはっきり持ち「何を・どうするため・どうしたい」と問い合わせをかけた方が早く目的を達成できると思います。

まとめ
大学と企業との連携を考えた場合、下記の2通りになるかと思います。
・ 現在ある北海道大学知的財産を利用した商品化・事業化、さらには企業化
・ 企業ニーズに合う研究者を紹介してもらい、共同研究や事業化へ
現状各企業が独自で調査をしている部分で限界を感じている場合や新しいアイデアを探す場合、大学内のたくさんの研究者の研究内容を把握している産学連携本部を活用してみることは企業にとって十分意義があると感じました。
最後に担当していただいた金子真紀マネージャーや小川晴也チーフマネージャーはじめ産学連携本部の皆さんにお礼申し上げます。

(株)フロンティア研究所 星 幸博

問い合わせ窓口
国立大学法人 北海道大学 産学連携本部
住所:札幌市北区北21条西10丁目 創成科学研究棟5階
電話:011-706-9561
HP:http://www.mcip.hokudai.ac.jp